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July 11, 2007

心に栄養

NINAGAWA十二夜を観てきた。
2年前の初演の折、テレビでの特番を観て是非観たいと思っていた。
先日、珍しく電車移動していた際に乗り換え駅で七月大歌舞伎「NINAGAWA十二夜」のポスターを見つけ、チケットはもうないかな?とダメもとでネット検索してみたら運良く取れたというわけで。
観たい、と願っていれば叶うものですね。

素晴らしい舞台芸術に言葉もありませんでしたが、改めて歌舞伎にはいろんな要素が含まれていることに感動しました。
歌舞伎は高校生の時の鑑賞教室以来。
あの時は始まる前に歌舞伎のいろはを丁寧に説明して頂きなんだか難しいものを一生懸命観たような気がします。
もったいないことに内容など今となっては全く記憶にありません(-_-;)

でも、堅苦しいことは抜きに美しいものは美しいし、面白いものは腹を抱えて笑う。
言葉遊びにこれがだじゃれのルーツか〜、と妙な所に感心する。
感じるままに受け止める楽しみ方が最高かなと。

それにしても2年前にTVで観た鏡を使った舞台美術が目に焼き付いていましたが、本物はやはり凄かった。
定式幕が開いた途端、場内からは感嘆が。

満開の桜だけでなく劇中の屋敷内の襖がハーフミラーとなっており、照明によっては奥が透けて見えるようになっている。
鏡は単に舞台美術としてだけでなく物事は表裏一体であるというテーマ性をも表現している。
決して押し付けがましくなく、なるほどね、と思わせる。

そしてやはり圧巻なのは早替え。
紐一本結ぶだけでも大変なことなのに、とんでもない早さで男と女になり変わる。
正直、うっそ〜!と言いたくなる。

一人二役、いえ三役もを演じる尾上菊之助さん。
双子の兄妹で男と女を演じ、さらに妹が男になりすます。
観ているだけでも混乱しそうなのに、演じる方はさぞや・・・
これもTVで観た時の記憶に残っていることですが、女方を演じている上でさらに男になりすましているのをどうやって表現してみせるかという見せ場。
恋心からつい、女が見え隠れするのを声色、所作で表現されている。
その流れの見事さは笑いまで誘う。

様々な人間模様が舞台上で展開されていくが役者さんの演技力にも魅了された。
半端のない笑い、どこまでも可笑しく、だけど舞台上の美は決して損なわれることがない。

この作品は全くの「和」ではなく音楽にチェンバロやバロックバイオリン、チェロなどが取り入れられていたり、舞台美術にも西洋的なインテリアが施されていた。
見事な融合、そしてお茶目?なことに役名が和名ではあるが原作の役名を見事にもじった名前
例えばヴァイオラ→琵琶姫、シザーリオ→獅子丸といったふうになっている所にもエスプリを感じた。

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