大千秋楽
昨日、ついに大地真央さんによるイライザの「マイフェアレディ」が千秋楽を迎え、惜しみない拍手、感動、涙に包まれながら幕を閉じた。
いつもの千秋楽も感慨深いものがあるけれど、今回はもう、なんというか・・・
キャスト、スタッフとも楽日の緊張感なんてものではなくて。
寂しい想いをどうにか「卒業」というおめでたい日にすりかえて、最後の仕事を全うする精神力を絞り出した。
そして幕が開く直前に私達オーケストラメンバーは奇跡を目にした。
目を疑った。
きゃー!!!
と叫んでしまった。
真央さんがあの鳥の巣状態のヘアに帽子をかぶり、何枚も重ねたボロの衣装のスカートを両手で抱えてカーテンから姿を見せて下さった。
そしてオーケストラのメンバーの前までいらっしゃりご挨拶をして下さった。
メンバー皆呆然。
出番直前に、ここまで気を遣って下さるお姿にもうすでに感動。
涙してる場合じゃないと、あらためて気合を入れ直し最後の公演の演奏を始めました。
「有終の美」を飾るお手伝いを少しでもと。
そしていつもより楽しいアドリブで会場を沸かせたりとお茶目なイライザの一面も見せて下さり、あっという間に一幕が終わり。
これでもう真央さんの演じるイライザ、歌声と共にできる演奏が最後だと思うと本当に寂しくて、心に刻みながら、でも聴いてばかりもいられないもどかしさも相まって複雑なまま、蓄音器から流れるイライザの声と共に最後のソロを弾ききりました。
特別カーテンコールでは歴代の役者さん方が駆けつけ、花束と卒業へのはなむけのメッセージを。
最後にヒギンズ教授の石井一孝さんが涙ながらにお話されました。
何度も幕が開いては閉じを繰り返し、最後にはオーケストラメンバーまで舞台の一番前まで呼んで頂きお客様の目の前でお辞儀をさせて頂きました。
ミュージカルではありえない光景です。
この瞬間に立ち会えた感動は忘れられません。
本当に光栄なことです。
そして、夜は真央さんイライザ卒業パーティーが行われました。
報道陣が詰め掛け会場内はカメラがずらり。
きっとワイドショーなどで取り上げられることでしょう。
真央さんがもう少女のような初々しさ、和服イライザで登場された時には会場中がため息に包まれました。
お側で拝見させて頂きましたが、眩しくて、輝かしくて、ぽ~っとしてしまいたぶん口をポカンと開けていたと思います。
演じてこられた20年という歳月、二十歳=成人式、和服でイライザのイメージを表現されたそうです。
そんな登場から乾杯まで少々時間があり、おとっつぁんの上条さんの乾杯のご発声の後、お食事解禁になったところで、私は時間切れ。
なんと、こんな素敵な空間から後ろ髪ひかれながらも退出。
チェロの土田くんと共に西麻布のスタジオへ向かいました。
あ~なんてこった。
途中コンビニで食料を調達し、現実に引き戻されレコーディングのお仕事頑張ってきました。
レコーディングも無事、アレンジャーの坂部さんにお褒めの言葉を頂けて終了。
なので帰り道は足取りも軽く、なんてことはなく・・・。
パーティーで頂いたお土産と荷物、足を引きずりながら駅に到着。
ホームのベンチが私を呼んでいる。
そのまんま、座って寝たい衝動に駆られましたが、ここで一息ついたらもう立ち上がることは不可能。
「踊り明かそう」
を歌いながら坂道をとぼとぼ登って帰り着いたみたいな気がします。
たぶん。
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