震災以来、福島県内の東北自動車道を走ったのは初めてでしたが、やはりあちらこちらに道路補修の跡がありあらためて被害の大きさを実感しました。
それにしても、パトカーや警察車両が多くてびっくり。
後ろに何台も控えているので、不優良運転者としてはどうも落ち着かなくて。
反対の上り車線からもずらずらと警察車両が。
災害対策の特殊車両がちらほら行き交う道路なのでそんなものなのかな?と思ったら今日は特別だったようで。
明日(日付的にはもう今日ですね)は福島で首脳会談が行われるとのことで、なるほどと。
しかも、正に、今日演奏させて頂いた避難所、あづま総合体育館を訪問されるということで警備もすごかったです。
それはさておき
あづま総合運動公園の体育館には、現在620名もの方々が避難生活をされています。
当初は2400名もの方々が避難されていたそうで、体育館だけでなくロビーや廊下までいっぱいだったそうです。
でも、620人もの方々がいらっしゃるような感じがまるでしません。
本当に静かなのです。
私が演奏させて頂いたのは入口を入ってすぐのロビーのようなと所でした。
共用のNHK専用テレビがあり、観てらっしゃる方のお邪魔をして申し訳ないと思いながらも、ささっと準備をし30分強の演奏をしました。
始まる少し前にアナウンスして頂き、聴きたい方が集まって下さるという、自由に参加できるかたちです。
お父さん方が数人、真ん前に陣取って下さったり、小さな子がバイオリンに興味を持って話しかけてくれたり、テレビを観ていた方々が引き続き少しこちらを気にして下さったり、2階からも椅子を観客席状態にして観て下さったり。
皆さんやはりお疲れの様子で、時折うつむいたり寂しそうな表情をされますが、終始穏やかに聴いて下さいました。
私はとにかく少しでも元気になって欲しいなぁと願いながら、パワフルに楽しく演奏をしたつもりです。
もう2ヶ月以上も不便な生活をされ、お互い遠慮しながら、ストレスを抱えながらもあんなに優しい表情をされる方々。
心配になってしまう程です。
なので、なにかこう、発散できることなどあったらいいのにと、最後は思い切ってハンガリアンダンスで手拍子の応援をお願いしてみました。
皆さん、楽しそうに手拍子で参加して下さったので涙が出そうになるくらい嬉しかったです。
演奏後はサインや写真撮影を希望して下さったこと、何かを求めるということをする気力を持って下さっていることに少しだけ安心しました。
サインをさせて頂いたひとりのお父さんがポツリと
「津波でみんな持ってかれちゃったよ」
と。
初めて会った誰とも知らぬ私なんかに、ふと、吐き出してくれた一言に、今まで聞いたどんな言葉にも及ばない衝撃を覚えました。
もう、言葉では何もお返しできなかった私は、お父さんがため息と共に落とした肩に手を置いてトントンとするのが精一杯でした。
「頑張って」なんて言葉はとてもかけられません。
もう十分すぎるほどの我慢をし、日々何をしたらいいのかも手探りで生活している方々へ私達は何ができるんだろうか?と真剣に考えなければなりません。
私ができる音楽を届けるということも、静かに過ごしたい方には迷惑なだけな場合もあります。
なので、避難所を訪問するということも難しい状況だったりします。
避難所で生活されている方々は自分で娯楽を選べません。
テレビだってNHK専用になっているし、ダンボールで仕切られた体育館の中ではそうそう騒げない。
演奏やスポーツなどのわずかな出前だけです。
希望があればもちろん、何度だってどこへだって足を運びたいと思う反面、押し売りになってもいけない現実もあるので難しいところです。
そして、今、あづま総合運動公園の避難所で必要とされている物資は
・夏物のシーツやタオルケット
・夏物衣料
身の回りの掃除のために
・ゴミ袋
・コロコロ
・ハンディモップ
などだそうです。
日々、必要なものは変化してしまうそうなので、できれば問い合わせをしてもらえると有難いそうです。
あづま総合運動公園の問い合わせ先は
024-593-1111
演奏後にふくしまFMに出演させて頂き、このことを言おうと伺ってきたのに、言えずに終わってしまいました。
ダメな私、と反省してます。
それと、もうひとつ。
もし物資を届けて下さる場合、品目ごとに分けて頂けると有難いとのことです。
人手が足りないので、ダンボールに色んなものが入っていると仕分け作業が大変だそうです。
物資などにこだわらずとも、被災地の事を考え色んな協力の形がありそうです。
協力できることはしたいですね!
できる範囲で、ぜひしましょう!!
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